ギルバート・クラーク子供たちの目に宿る星の輝き
空を探索することが子供たちにもたらす魅力と科学を、ギルバート・クラークは知っている。彼の仮想天文台は、何百もの学校を、世界で最も強力な望遠鏡とつないでいる。
ロケーションアメリカ
海軍の退役軍人。このような人物が、アメリカで最もよく知られた天文学者になるとは思えないであろう。しかしギルバート・クラークは、実に型破りなやり方で、生涯をかけて自身の目標を達成したのだ。
Telescopes in Education(教育に望遠鏡を)の取り組みにより、従来の科学は活性化しました。かつては少数の天文学者のみに与えられていた特権が、日本やポーランド、そしてその他の国の学校にいる子供たちの手へも渡ったのです。
クラークは1990年代はじめ、カリフォルニア州のウィルソン山天文台で、20か国以上の生徒たちが基本的なコンピューターを使い、数百万ドルもする研究用の望遠鏡を通して銀河系とその向こう側を観測するという、Telescopes in Education (TIE)プログラムを立ち上げた。TIEプログラムの参加費用は請求しないという決心から、1995年~2005年まで、彼は栄誉あるロレックス賞を利用してNASA(アメリカ航空宇宙局)やJPL (ジェット推進研究所)の支援を仰ぎ、民間からの出資を募った。
現在もTIEの責任者を務めるクラークは、このプログラムの活動が世界中何千もの生徒と教育者に恩恵をもたらすとともに、新たな発見にも役立つと推測している。例えば、TIEのユーザーは冥王星の軌道位置の修正において一翼を担った。しかし最も注目すべきは、TIEプログラムへの参加がきっかけとなり、多くの生徒が科学、エンジニアリング、技術の分野へ進んでいることだ。クラークのロボット望遠鏡システムは多くのメーカーによって複製され、その結果として、プロ・アマチュアを問わず膨大な数の天文台が彼のプログラムを利用している。
10,000人
TIEプログラムに参加した世界中の生徒と教育者の数