チャンダ・シュロフ時間の中のステッチ
インド、ジャグラート州の端にあるカッチ地方では、22,000以上の女性たちの生活が大きく変化している。チャンダ・シュロフがこの地に伝わる精緻な手刺繍を復活させ、現地の女性たちに安定した収入源をもたらしてくれたおかげだ。
ロケーションインド
星空の下に住み砂漠を歩き回りながら、カッチの女性たちは色鮮やかな刺繍で厳しい生活に打ち勝ってきた。数千年の歴史を誇る伝統的な刺繍。だが、1969年に干ばつにあえぐこの地方を訪れたチャンダ・シュロフが出会ったのは、先祖伝来の刺繍織物を手放さざるを得なかった多くの世帯だった。彼らが歩んできた人生を売るのも同然だった。シュロフはNGOシュルジャンを立ち上げ、カッチの人々が新たな刺繍を創作し、何よりも必要な収入を得るための支援に取り組み始めた。現在シュロフのプロジェクトは、インドで最も成功した社会起業モデルの一つとして認められている。
カッチの住民、特に女性が面する困難に驚きました。
シュロフが手掛けている移動展示センターは、様々な種類の刺繍パネルを遠く離れた村で展示するものだ。この出張活動による知名度の高まりによって売り上げが増加し、最終的に職人である女性たちの収入も増加した。つい最近の2016年1月、シュルジャンが出資した「生活しながら学ぶデザインセンター」が開館した。同センターの設立にはシュロフだけでなく、特色のある16種類の刺繍を残そうというシュロフの活動をひき継ぐ、若い世代の代表としてシュロフの息子と娘も関わっている。チャンダ・シュロフは2016年8月に亡くなったが、将来、同センターは地方や州といった垣根を超え、手工芸愛好者が必ず立ち寄る地、そしてカッチの手工芸全22種類を学べる工房を備えた手工芸学校となる予定だ。
22,000人
シュルジャンの活動から恩恵を得た女性たちの数。およそ120の村に住む
3,000人から3,500人
毎年シュルジャン財団で働く女性職人の数
1,200枚
プロジェクトの第一段階で展示された、手刺繍パネルの数