ナンシー・ジョーンズ・アベイディラハーンラクダ乳はいかが?
ナンシー・アベイディラハーンは、モーリタニアにアフリカ初のラクダ乳の酪農を設立した。これにより畜産に対する認識に変革がもたらされるとともに、モーリタニアに住まう人々の生活が向上している。
ロケーションモーリタニア
アフリカ北西部に位置するモーリタニアでは、長引く干ばつやイナゴ等の害虫の大発生により、度々牧草が大打撃を受けていた。このような厳しい状況に置かれた遊牧民たちは、1970年代~1980年代に都市部へと移住していったのだ。その結果、彼らは新鮮なラクダ乳という主食物を失うことになった。
酪農のおかげで、家畜を扱う伝統的な手法が変革を遂げつつある…人々は畜産を、ただ代々伝わる生活様式としてだけでなく、経済活動として捉えはじめています。
この問題に対処すべく、ナンシー・アベイディラハーンは1989年、ラクダ乳の低温殺菌とラクダのチーズ製造を行う酪農場「Laitière de Mauritanie (モーリタニアの乳製品)」(現在は「Tiviski(ティビスキー)」)を設立した。新しい畜産の手法と新製品を導入することで、彼女は地方に住まう人々に定期的な収入をもたらした。アベイディラハーンは産業としてのラクダチーズ製造にまつわる技術的な課題をなんとか克服したものの、貿易制限によりそれを輸出することはできなかった。
2001年までにティビスキーは1,800平方メートルに拡大し、一日にラクダ、牛、ヤギの乳21,000リットルを購入・処理することができるようになった。今日酪農場ではラクダ、ヤギ、牛の乳製品20種が製造され、現地のマーケットで販売されている。酪農場をとその夫に引き継いだ現在も、アベイディラハーンはラクダ乳業と製品を開発するコンサルタントの役割を務めている。2013年には著書Camel Cheese - Seemed Like a Good Ideaを出版している。
200名
プラントの従業員数
20,000リットル
一日に製造するミルクの量
1,000名
新鮮な乳を届ける飼育者数
3,000家族
酪農場から収入を得ている家族の数